山村留学で田舎暮らし

暗証番号をわすれた

　私の娘が入学した小学校は、前年度まで男子数名しかいない小規模校で、今年度は全校生徒９名という状況だ。
　新入生は女の子ばかり３名。新聞に載った。近くの小学校では、もっと少ないところもあると聞く。廃校の危機を、山村留学制度を推進し、町全体で阻止している雰囲気がある。
　近所には老人しかいない。当たり前だが、みんなしわくちゃで見分けがつかない。
　それは冗談としても、本当に子供がいない町だ。娘が外で遊んでいると、ものめずらしそうに、わらわらと老人が出てきて声をかけてくれる。あめをくれたり、ジュースをくれたり、かれいをくれたり。
　かれい？
　子供にかれいもどうかと思うが、この土地の人は本当によくかれいをくれる。家の中で養殖してるの？と聞きたくなるくらい、いっぱいくれる。我が家ではかれいを買ったことがないのに、絶えず冷蔵庫にはかれいがいるのだ。何故だろう。単純にお土地柄なのかな？

　そういえばこのところ毎日行者にんにくを食べている。アイヌねぎとも呼ばれているこの山菜は、北海道の人には説明はいらないが、都会では見かけたこともない。幻の山菜とも呼ばれているそうだ。
　その幻の山菜を毎日飽きるほど食べている。私の住むこの町では、近所の山に普通に茂っているのだ。昨日はもらったキャベツとあわせて餃子を作った。「うまし！」だ。行者にんにく、と言われるくらいだから、にんにく臭が強い。本家より強いかもしれない。だから今、我が家はくさくてくさくて（涙）。

　これは妻には内緒だが、もらったり、拾ったりしたもので生活してるから、銀行の暗証番号を忘れてしまった。情けない。

あなたにおススメの記事