山村留学で田舎暮らし

　数日は、砂金公園の話をして、このカテゴリーを閉じようと思う。

　この砂金公園で働いていて、いくつか思うことがあるので書いてみよう。

　この公園で、私は滅多にゴミ拾いをしない。別に仕事をサボっているわけではなく、ただ単にゴミが落ちていないだけだ。これは来園するお客さんのモラル度が高いことを証明している。しけモク拾いさえしたことないのだから、この辺は誇れるところだろう。トイレも滅多に汚れない。
　お客さんは、家族連れと引退した老夫婦、あとはライダーさんでほとんどを占める。若いきゃぴきゃぴした姉ちゃんとかは来た試しがない。
　時々、偶然ここを発見した旅行中の紳士が、ビール片手に旅行計画を修正して留まるときがある。そういう人は必ず地図を眺めながら「うん、うん」って一人相槌を打っているものだ。砂金と地名の関連を推理しているに違いない。
　こうやって整理して考えてみると、砂金掘りって「大人の川遊び」なんだな、とつくづく思う。
　
　砂金掘り。。

　物理、科学、地学など、様々な学問の集合体で、砂金堀りは単純作業ではなく、「今、私は人間の知恵を絞って自然と闘っているんだ」という変な錯覚さえ覚える。
　楽しみ方も人それぞれ。私はホーム以外では砂金堀りはやらないけど、色々な川のサンプルを集める人も多い。砂金の出た記録のない川で砂金を採取しようと頑張るのも楽しいし、大きさや量にこだわる人もいる。
　私の場合はちょっと変わっていて、砂金の量や質よりも、その舞台背景に興味を持つ派だ。その土地の歴史や、過去のドラマにときめいてしまうのだ。
　例えば畑の師匠の家の物置に、何故か古いゆり板があったという。じいさんのものだから年代は合うけど、家の者で砂金掘り師はいなかったから、なぜ、砂金堀り師が大切にするゆり板がこの家にあるのか、謎だ。そのゆり板をぜひ見てみたかったのだが、今はどこにあるか分らないと言う。

　謎。響きのいい言葉だ。

　私はどうやら幾つになっても、「何？何故？どうして？」の、謎好き少年のようだ。
　

あなたにおススメの記事