山村留学で田舎暮らし

　オホーツクラインを南下して、サロマ湖を目指した。

　朝日を浴びながら太陽を追いかけるドライブも中々いいものだ。サングラスが神器に思える。いつも北上するオホーツクラインを、今日は南に探検した。
　途中、牛柄模様の廃墟となったラーメン屋を発見。中学校の前にひっそりとたたずんでいたその建物は、何故か海岸線側にあり、私には、「いくら昔が栄えていたとしても、こんなところにラーメン屋を建てようとは誰も思わないだろう」と思える場所だ。不思議な空間だった。
　紋別を抜け、湧別までノンストップ。サロマ湖上方の「竜宮台」を探した。「竜宮台」。どんなところだろう？浦島太郎とゆかりがあるのだろうか？想像が膨らむ。
　目的地近くに来たので、もう地図は見ない。あとは標識とカンを頼りに竜宮台を目指す。
　突然視界が開け、「右は湖、左は海岸」という不思議な光景が目に入ってきた。しかし、「竜宮台」と思えるような場所は見当たらない。探しても見当たらないので、少しして帰ろうと思ったら、入ってきた駐車場の出入り口に小さな踊り場があり、上部には設置型の双眼鏡が確認できた。

　「まさかここだろうか？」

　そう思った私は車をもう一度止め、娘を連れて、その小さなオブジェを駆け上がってみた。

　（＾＾；

　確かに景色は良かったが、浦島太郎の竜宮城を想像していたから大分びっくり。昔、大町桂月という文豪がここに訪れて名づけたというから、もう後ろ戻りは出来ないだろうけど、ちょっと竜宮城とはイメージが程遠い。散策路に書かれた浦島太郎の壁漫画も、北海道の大自然にはあっていないような気がする。
　それでも景色は抜群。海と湖と岬の大パノラマはとても写真には収められないものだ。

　以前にも書いたが、北海道の大自然は、変に着飾らない方がいいと思う。１５，６の少女に化粧は似合わないのと同じで、すっぴんの方がいいに決まっているし。

　日差しをしのげる東屋と碑だけでいいのになぁ、と思った。

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