2007年06月16日
何かに削られた金
斜内小学校の裏に、小さな石段がある。もう草に隠れて見えないが、この向こうに道があるはずだと、地元の人から話を聞いた。
適当に草の浅いところを山に向かって入ってみた。道らしきものはない。すぐに急な斜面になり、左後ろには神威岬が見える。爆竹も、今回は6箱用意してある。まぁ、奴に会わないに越したことはないのだが。
3時間ほど歩くと、地図には載っていない沢がいくつかあった。数年前の台風で倒された木が方々にある。私はその中でも一番大きな木の根っこに付着している土を集めて、パンしてみた。
一発で出た。今日は運がいい。
歩いてきた道しるべに、蛍光のリボンを木にくくりつけながらの登山は、思った以上に前に進めない。それでも日の出から登り始めて、昼過ぎには目的地に着けた。もしもの時用に握り締めていたアーミーナイフの出番はなかったが、左手の握力が全くなくなってしまっていた。これではカッチャをうまく握れない。私は少し休むことにした。
休みながら、先ほどの試し掘りをしたとき採れた金を眺めていた私は、その採れた砂金の中に、妙な形のものを発見した。長さにして4ミリ。しかし粒と言うよりは薄く平べったく、量としてはそれほどではないのだが、妙な形をしていた。チョコレートを薄くナイフで削ったような形といえば伝わるだろうか。
自分が今どこにいるのかは分かっていても、これがどこの川か分からない。こういった新しい沢が、この辺には沢山あるのだ。そして当たり前のように砂金はまだまだ採れる。砂金と言うより、ここまで上流で採れる金は、みんなコロコロしているものばかりで、砂金公園付近で採れるサラサラとした金は逆に少ない。ゆり板に貯めて最後に出した金はちょっと眩暈がする量である。だって音がするから(笑)。砂鉄も多く、赤い小さな石も多く残っている。これも何か貴重な石だったりするのだろうか。持って帰ってみよう。
フライを張って、火を焚き、野営の準備を始めた私だったが、作業しながら心は先ほどの妙な金の形に引っかかっていた。誰がどうみても、人工的に見えるからだ。これが誰かのいたずらでないのなら、この形は一体どうやって説明できるだろうか?
私は火を絶やさないように気をつけながら、朝まで仮説をいろいろ考えていた。そしてたどり着いた結論は・・・
「誰かが大きな金に気がつかずに、その上をカッチャで引っ掻いたのではないか?」ということだ。
ところが家に帰った私は、自分の用意の悪さに愕然としてしまった。真っ先に共和国の人に見てもらおうと思っていたその金は、真ん中でペチっと折れてしまっていたのだ(>_<。。。 長い下山の途中、絶えず他の金とぶつかっていたのが原因だと思われた。貴重かもしれなかった金は、折れて普通の金になってしまっていたのだった。
さてと、気を取り直して次の計画を練ろう。
ちなみに私の行為は無謀で自殺行為だから誰も真似しないように(^^; 木の上の奴が爆竹の音で落っこちてきたときは、本当にどうしようかと思ったからね。
適当に草の浅いところを山に向かって入ってみた。道らしきものはない。すぐに急な斜面になり、左後ろには神威岬が見える。爆竹も、今回は6箱用意してある。まぁ、奴に会わないに越したことはないのだが。
3時間ほど歩くと、地図には載っていない沢がいくつかあった。数年前の台風で倒された木が方々にある。私はその中でも一番大きな木の根っこに付着している土を集めて、パンしてみた。
一発で出た。今日は運がいい。
歩いてきた道しるべに、蛍光のリボンを木にくくりつけながらの登山は、思った以上に前に進めない。それでも日の出から登り始めて、昼過ぎには目的地に着けた。もしもの時用に握り締めていたアーミーナイフの出番はなかったが、左手の握力が全くなくなってしまっていた。これではカッチャをうまく握れない。私は少し休むことにした。
休みながら、先ほどの試し掘りをしたとき採れた金を眺めていた私は、その採れた砂金の中に、妙な形のものを発見した。長さにして4ミリ。しかし粒と言うよりは薄く平べったく、量としてはそれほどではないのだが、妙な形をしていた。チョコレートを薄くナイフで削ったような形といえば伝わるだろうか。
自分が今どこにいるのかは分かっていても、これがどこの川か分からない。こういった新しい沢が、この辺には沢山あるのだ。そして当たり前のように砂金はまだまだ採れる。砂金と言うより、ここまで上流で採れる金は、みんなコロコロしているものばかりで、砂金公園付近で採れるサラサラとした金は逆に少ない。ゆり板に貯めて最後に出した金はちょっと眩暈がする量である。だって音がするから(笑)。砂鉄も多く、赤い小さな石も多く残っている。これも何か貴重な石だったりするのだろうか。持って帰ってみよう。
フライを張って、火を焚き、野営の準備を始めた私だったが、作業しながら心は先ほどの妙な金の形に引っかかっていた。誰がどうみても、人工的に見えるからだ。これが誰かのいたずらでないのなら、この形は一体どうやって説明できるだろうか?
私は火を絶やさないように気をつけながら、朝まで仮説をいろいろ考えていた。そしてたどり着いた結論は・・・
「誰かが大きな金に気がつかずに、その上をカッチャで引っ掻いたのではないか?」ということだ。
ところが家に帰った私は、自分の用意の悪さに愕然としてしまった。真っ先に共和国の人に見てもらおうと思っていたその金は、真ん中でペチっと折れてしまっていたのだ(>_<。。。 長い下山の途中、絶えず他の金とぶつかっていたのが原因だと思われた。貴重かもしれなかった金は、折れて普通の金になってしまっていたのだった。
さてと、気を取り直して次の計画を練ろう。
ちなみに私の行為は無謀で自殺行為だから誰も真似しないように(^^; 木の上の奴が爆竹の音で落っこちてきたときは、本当にどうしようかと思ったからね。
Posted by t@sora at 09:53│Comments(4)
│昔話・思い出
この記事へのコメント
こんにちは。
その変な形の金。
接写したらここで見せてください。
その変な形の金。
接写したらここで見せてください。
Posted by N村 at 2007年06月16日 14:44
はじめまして!かな(??;砂金の趣味の方でしょうか。。
以前にも書いたとおり、基本的にこのカテゴリは物語としてお読みください(^^;
以前にも書いたとおり、基本的にこのカテゴリは物語としてお読みください(^^;
Posted by ayappi at 2007年06月16日 17:35
ayappi様
こういう山行の経験はまだありませんです。
ただ、夜、登ったことはありましたが・・・仕事というか、夜になってから急遽小屋に入ることになって。
林間の登山路は、真の暗闇で、足の裏を目にして登りました。昼間、登山者がけっこういる時間帯は動物の気配もあまりしないのですが、夜はあちこちでガサとかゴソとかパキッとか・・・
稜線に出て、星明りで路が見えるようになったときはほっとしました。
冬野
こういう山行の経験はまだありませんです。
ただ、夜、登ったことはありましたが・・・仕事というか、夜になってから急遽小屋に入ることになって。
林間の登山路は、真の暗闇で、足の裏を目にして登りました。昼間、登山者がけっこういる時間帯は動物の気配もあまりしないのですが、夜はあちこちでガサとかゴソとかパキッとか・・・
稜線に出て、星明りで路が見えるようになったときはほっとしました。
冬野
Posted by 冬野由記 at 2007年06月17日 00:53
夜の移動は怖いですよね。しかも霧が出てると、「あぁ、終わった・・・」って気分になります。
隣町にピンネシリ山という山があって、今日はそこの山開きの日なのですが、近所の子供を集めて登る破目になってしまいました。去年、痛い思いをした山のなのです(^^; 行って参ります(>_<。。。~~
隣町にピンネシリ山という山があって、今日はそこの山開きの日なのですが、近所の子供を集めて登る破目になってしまいました。去年、痛い思いをした山のなのです(^^; 行って参ります(>_<。。。~~
Posted by ayappi at 2007年06月17日 07:59
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