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2007年09月21日

鬼火

鬼火

 狐の嫁入りってなぁに?と娘に聞かれたので、「狐の嫁入り?あぁ、晴れてるのに雨が降るときのことを言うんだよ」と答えた。

「なんで晴れてる雨のことをそういうのぉ?」
「なんでだろうね。昔からそういうね。でもそんなこと誰から聞いたんだい?」
「学校の先生。畑でお仕事してるときに雨が降ってきたの。そのとき教えてもらったの」
「太陽が出てただろう?」
「うん」
「ほらね!」
 娘はいまいち納得出来ない顔をしていた。晴れている雨と、狐が、頭の中でぐるぐるとしているに違いない。

 そしてその晩、私は鬼火を見た。

 妙な時間に目が覚めた私は、少し夜風にあたろうと思い、夜の街へ散歩に出かけた。月がなく、あたりは漆黒の闇である。町に一つしかない信号機が妙にまぶしい。
 ふと、神社の境内にろうそくが灯っていることに気がついた。「正月でもないのにおかしいな」と思った私は、誰かいるのではないかと神社に近づいた。
 しかし、境内をいくら探しても、先ほどのろうそくの明かりが見当たらない。窓に車の光でも反射したのかな、と思い、帰ろうとしたまさにそのとき、境内の裏手の雑木林に、ボウっと明かりが灯ったのだ。見ると宙に火の玉が浮いていた。「鬼火」という言葉が頭を過ぎる。青くもなく赤くもなく、その鬼火は音もなく地上1メートルくらいのところを揺らめきながら意外と早く移動していた。時間にしたら数秒のことだったと思うが、えらく長い時間に感じられた。そしてその鬼火と思われる火の玉は、最後は燃え尽きるようにすーっと消えていった。
 気がつくと、いつもはうるさいと思うほどの虫の音が止んでいる。携帯で時間を見ると午前2時半。「草木も眠る丑三つ時ってやつか?」と、変に納得して私は振り向かずに自宅に戻った。
 寝室では娘と妻が寝息をたてて熟睡していた。一瞬、「起こそうか?」と思ったが、ばかばかしいと思って、私は変わりにパソコンをつけ、「鬼火」を検索してみた。するとこんな記述があった。

 「鬼火=狐火」

 

 うわさしたからかなぁ。。


 
 

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この記事へのコメント
おはようございます・・・・・・。
今日、その噂話は絶対にしません。

こわい・・・・・・。うえ~~ん・・・・・。
Posted by じゃらし at 2007年09月21日 06:57
ayappi さま

夢、ゆめ、ユメ~ではないのでしょうか~

私だったらそうでも思わないと暗くなったら外には出られなくなります(笑)
Posted by クッキーママ at 2007年09月21日 09:32
ayappi様

 挨拶にみえたのかも。
「呼んだ?」
 って。
 狐は,幸(さち)をもたらす霊獣でもあります。
 秦氏の守り神。お稲荷さんですね。
 いいことがあるかもしれませんよ。

冬野
Posted by 冬野由記 at 2007年09月21日 10:27
こんにちわ!こちらに返事します。遠別は一応水稲の最北といわれています。最北の水田は、北緯44度45分、東経114度52分にあります。全部の水田がもち米を作っています、「はくちょうもち」と「風の子」という品種です。一応といったのは昨年利尻の学校で米を作ったいうことが新聞に報道されていました。
Posted by masakinono at 2007年09月21日 17:08
 いらっしゃい♪

<じゃらしさん
 怖くなかったですよ。意外と。。
 別に噂話ししたのが原因とは思えませんが(汗)。

<クッキーママさん
 これから毎日見に行こうかと思ってます(笑)

<冬野さん
 ほう、霊獣ですか。
 いいことあると良いですね。出来れば仕事の話とかが希望なんですけど(^^;

<masakiさん
 遠別では米が収穫できるんですねぇ。うらやましいです。このあたり、水田も作りやすい地形なんですが、何故か水田は見ません。そろそろ温暖化の影響で、誰かが始めそうな雰囲気もありますが、さて。
Posted by ayappi at 2007年09月21日 17:52
ayappi様 こんばんは

鬼火=狐火≒人魂でしょうか
幸運をもたらす鬼火であって欲しいですね。

伊達市の旧鹿島国足神社の日拝所と呼ばれる社がありました。
この社には、開拓以来お墓を持たない方達のご遺骨が納められていた
のです。此処の社務所には23年間住んだました。
母と共に、この拝殿で毎日のように、祝詞をあげてた記憶があります。
一度ぐらいは出っくわすのではないかと内心思いながら居たのです
が一度も出会ったことがありませんでした。

私の叔父は宮司だったのですが、此処で人魂にあったと話してました。
今この拝殿にあったご遺骨は、現在の家近くの納骨堂に納められている
です。
幸運をもたらす鬼火であれば、会っても良いなと思いますが、悪運をもた
らすものであったら会いたくないですね!
Posted by 邯鄲のゆめ at 2007年09月21日 20:39
ayappi様 訂正いたします

訂正前
 此処の社務所には23年間住んだました。
           ↓
訂正後
 此処の社務所には約23年間住んでました。
Posted by 邯鄲のゆめ at 2007年09月21日 20:46
>一度ぐらいは出っくわすのではないかと内心思いながら・・・
 
 私もそう思ってましたが、今までそういった機会は一度もありませんでした。
 校生ぐらいの頃、UFOが見たくて何日も空を見上げてて、当たり前だけど見ることが出来なくて・・・そんなことも忘れてた極普通の日に、たまたま空を見上げたらフッと見ちゃったことがありました。夢か幻か。。
 現実は突然というかなんていうか・・・。
Posted by ayappi at 2007年09月22日 06:38
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