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2006年05月29日

雨降り運動会のあとに

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 「おしごとでしょ?」と、娘は言った。
 「そうだ。終わり次第駆けつけるからな」と、私は答えた。ふ〜ん、そうなんだ〜、と言う表情で、目をクリクリさせていた娘は、すこし考えて、こう言った。

 「ぐあいの悪い人をたくさんたすけてあげてね!」


 運動会後の打ち上げで、運動指導の話を教頭とした。ある人のお子さんが、その運動では有名な学校へ進学したのだが、練習が厳しく、水も飲ませてくれないから、それを学校へ苦情を言いに行きたいというのだ。
 私は間髪いれず、こう答えた。

 「どんなに優秀でも、3年間レギュラーにはなれないし、試合にも出してくれませんよ」

 まぁ、水を飲ませないのはどうかと思うが、運動指導の現場で、道内や全国を視野に入れた指導を考えた場合、私なら練習風景を親には見せられない。
 例えば陸上競技の女子800mを考えてみる。
・午前4時前後から体を起こすランニング
・朝食後、午前中3時間、午後3時間の練習
・夕食前後に1時間のウェート
 ざっとこんなものか。インターバル・トレーニングとサーキット・トレーニングが主体となるが、生理が止まる寸前まで体脂肪を落とさないと、リズムに乗った練習はできない。吐きながら、泣きながら、今額を流れているものが、汗なのか涙なのか分らないトレーニングの毎日。気道は狭まり、呼吸音がヒューヒューいう。筋肉内のATPが補充されない状態での慢性的な酸欠が続くから、ちょっと体調が悪いとブラックアウト。超回復を利用して、トップスピードで走れる距離を10m刻みで増やしていく。
 こんな練習を毎日していけるのは、そのスポーツを本当に心から愛しているからだ。ストイックに、棄てられるものはすべて棄ててその競技と向き合っているのは、当の子供。まぁ、水の話は置いておいて(笑)、練習が厳しいから学校へ苦情を言うのは、本人の未来を奪うことになることは間違いない。その子だけ特別にいじめられているとか、その子だけ特別に理不尽な扱いを受けているとかでない限りね。
 「練習が厳しい」と、もしも子供が私に言ってきたら、私が親ならこういう。

 「やめれば?」
 

 

 

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Posted by t@sora at 18:46│Comments(5)こだわり
この記事へのコメント
 「ぐあいの悪い人をたくさんたすけてあげてね!」っていいね。
やっぱりayappi さん、仕事いったんですね。

しかし水は大事ですよ。こちらの軍隊の訓練では、ドリルサージェント(訓練指導軍曹?)は、脱水症にならないよううるさかったので、暇さえあれば水筒の水を飲まされましたよ。
Posted by ゲスト at 2006年05月30日 02:13
いまどき「根性論」は通じませんよね。
「練習内容に関してはともかく、健康には留意した練習をお願いします」とは言えるかな。
Posted by ayappi at 2006年05月30日 07:20
上級生から、「水は飲むな、うがいだけだ!!
」・・・でもうがいのフリしてちょびちょび飲んでましたけどね。またぬるい水道の水でも美味しかったなぁ(笑)
Posted by edosin at 2006年05月30日 08:20
練習がきついのは当たり前のことです。
ただ厳しく辛い事でも何の為にやらなければならないのかわかってやっているのは良い指導。
わからないでやっているのはただのシゴキだと思います。
まあ水が飲めないというのはかなり時代錯誤だと思いますが・・・

本人が目指すものがあって頑張っている以上、親が口出しすることではないですね。
本人が練習が厳しいから辞めたいというなら、まさに「やめれば?」だと思います。いくら良い指導者でも本人のやる気だけはどうにもなりませんもんね・・・
自分が指導者でということで考えた時、厳しい練習を楽しく出来ることが理想ですね。
Posted by ape at 2006年05月30日 12:54
その種目のトレーニング理論を知らない指導者は、「しごきゃいいだろう」、と思っているところがありますね。
厳しい練習を楽しくですか・・・。好きなら全部楽しいんですけどね、本当は。。
25年前の私の記憶では、もうすでにトレーニング中の水分補給は常識でしたが、こんな時代錯誤の高校なんて今時本当にあるのかな(笑)?
Posted by ゲスト at 2006年05月30日 17:13
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