山村留学で田舎暮らし

　家内の働いているホタテ加工場には、元気なおばあちゃんたちが町中から集まってたくさん働いている。

　家内は３１歳だが、当然、最年少に近いポジションにいる。そしてこのポジションは当分変わらないだろうと思われる。理由は説明するまでもなく、若い労働者がいないからだ。
　おばあちゃんたちはとっても元気。女性ばかり何十人と集まっているのだから、きっとおしゃべりも大変な勢いなんだろうなと想像がつく。南宗谷の情報はほとんどここでうわさになるだろう。浜頓別の秘密はすべてここで暴かれるのだ（＾＾；だから、自然と私の家内は情報通になってしまう。
　たとえば、誰かが昨日どこにいた、というような些細な情報から、あの人はきっと浮気をしているだろう、みたいなゴシップ話を仕入れてきては、夕方楽しそうに私にそれを話す。私はそういったことにはまったく興味がないので「へー、そう？」と聞き流しているのだが、中にはなんでそんなこと知ってるの（？？；って内容もあるからちょっと怖い。ここでの情報収集力は、ＣＩＡ並みと私は思っている。
　以前にも話題にしたが、うちの家内は引っ込み思案で対人が苦手だ。東京にいるときもほとんど家を出なかったし、幼稚園の保護者会でさえ絶対に顔を出さなかった。そんな家内が、どうしてこんな女性だけの職場でやっていけるのだろう？というのが、今の私の一番の謎。バイトも続いたって１週間だったのに。。

　ある７０歳くらいのおばあちゃんが、家内にしみじみとこう言うそうだ。
　「いいわね～あなたは。まだ３０年はここで使ってもらえるものね～」

　それって、３１年しか生きてきてない家内が、それよりも長くここで働くってこと（？？；
　

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