山村留学で田舎暮らし

　春を食べる会、というものがこの地域にはある。季節行事である。子供達が山菜狩りをしてきて、それを食べよう、という趣旨で行われるものだ。


　最近、ちょこちょこ熊が出てるので、ハンター同伴で子供達は山に消えていった。がけをのぼり、命を賭けての山菜狩りだ（笑）。
　もちろん、この行事、都会ならあまりにも危険という理由で、ＰＴＡの反対でつぶされるような行事だろう。熊はいるし、ハンターは実弾を撃つから誤射もあるかもしれない。がけから落ちたら骨折くらいはするだろう。迷子になったら、ちょっと探せるようなところではもちろんない。

　しかしこれでいいのだ。

　大人たちはライフルをもって遊んでいる。熊に出てきて欲しいのか、出てこないで欲しいのかよく分からない（笑）。足跡や糞があるから、熊のテリトリーを侵害しているのは確かだ。うらまれたくないなぁ。
　
　今年は大猟（＾＾ｖ　ほんの小一時間で、子供達の袋は山菜でいっぱいになった。私は命令系統の中心にはいなかったが、子供達に声をかけて急いで戻ることにした。目的が達成できたなら、長居は無用だからだ。
　学校に戻ると、女性人が食事の支度をして待っていた。すられた根わさびのよい匂いが漂い、それが食欲を誘う。採ってきた山菜を渡し、男性人は火を起こす。男は狩に出て、女は家庭を守る。１万年前から人類がしてきたことを絵に描いたような光景だ。
　しかしこの行事、子供の数が少なくなってきて、運営が難しいと聞いた。とってもいい行事なんだから、なんとかしたいな。他の行事を減らしても、田舎ならではのこんな行事を残して欲しいと思うのは、私のわがままなんだろうか。

　ちなみに秋食べ会もあるんだよ？どうせなら、夏食べも冬食べもやって欲しいんだけどな（＾＾；
　

あなたにおススメの記事