山村留学で田舎暮らし

　怪しい商店の店の奥には、日の当たらない場所に歴史が埋もれている。

　怪しい商店には食材や飲み物の他に、奥の方に雑貨も置いてある。誰も買わないからほこりをかぶっているし、第一奥の方まで見に行く地元客は殆どいない。用途不明のものや、壊れた部品なんかも置いてあるから、もしかしたらそのあたりは店舗エリアじゃないのかもしれない（＾＾；　そんなガラクタの中（失礼）に、錆びた金属製のバックルのようなものを私は発見した。
　見覚えのある形だなとは思ったけれど、それがなんだったか思い出せない。私は怪しい商店の旦那に、「これ、なんだい？」って聞いてみた。
　案の定、だんなは一言もしゃべらずそれを不思議そうに眺めていたんだけれども、何かを思い出したのか、奥に引っ込んでいってしまった。
　しばらくすると、旦那は油紙に包まれた長細いものを持って現れた。相当古いものだ。油紙の油は、その殆どが酸化してしまっていたが、一枚ずつ丁寧にはがしていくと、中から見事な刀が出てきたのだった。その錆びた楕円形の金物は、刀の鍔（つば）だったというわけ。その部分だけをはずして、子供の頃は投げて遊んでたらしい。
　先祖代々から家にあるものだ、と旦那は言った。
　「まぁ、見てくれはいいが、こんなんに包まってんじゃな・・・」
　しかしよく見ると、実に立派な姿かたちをしていた。刃紋も美しく、刃こぼれひとつしていない。ただ、柄の部分の布はほころびてしまっていて、そうとう古いのものだということだけは分った。
　「入れ物もなかったしなあ」と旦那は言った。しかし、私は柄の部分の紋に見覚えがあった。私は急いで家に帰り、その家紋を検索して探してみたのだが、その紋はやはり私が思ったとおり、「ささりんどう」、だった。これは源家の家紋だ。

　「これはもしかすると、どえらい発見かもしれないぞ！」

　義経北行伝説は東北までが主流だと私はうろ覚えていたので、早速調べてみたのだが、蝦夷地の義経伝説も意外と多いらしい。しかしその足跡も南までだ。こんな北にまで逃げ延びてきたという話はこれっぽっちも話に聞かない。
　さらに言えば、足跡、痕跡、伝えばなしはあっても、物証が見つかったという話はいまだ聞かない。というよりも、義経が逃げ延びたのも定かでないから、もし仮に、この刀の年代鑑定が西暦１２００年くらいとされたら、これは歴史的な発見間違いなしだ。成吉思汗（ジンギスカン）伝説も含めた、すべての伝説が消えてしまうことになるだろう。

　という夢を見た。

　・・・。

　多分、録画で見た、「○国自衛隊」の影響かな？それともネットで見つけた「村おこし案募集」が原因かな？（＾＾；

　さて、もう一度寝るとするか。
　

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